私が学生の頃、「あいのり」が人気の番組だったことは覚えている。友達が番組を話題にして盛り上がっていたし、当時の出演者の一人や二人は何となく記憶に残っている。
ただ・・私は、一度も番組を見たことがない。
他人のプライベートな部分をのぞき見るようなことに何となく違和感を覚えていたし、要は自分には合わない番組だったので見ていないということ。
あの類の番組をみて一喜一憂している人をみると正直・・この人と友達にはなれても趣味は合わないだろうなと思ってしまう。
出演者の方には本当に申し訳ないけれど、これが素直な私の気持ち。
誰もが幸せで、のほほんとした平和な番組なら人気にはならない。喧嘩をしたり、誰かが嫌な思いをしたり・・そこに感情移入をすることで盛り上がる番組作り。小さな炎上を何度も仕掛けることで、視聴者は番組に引き込まれていく。
その結末。SNSの怖さを感じた。
言うまでもなく、私が言っているのは「あいのり」でなく「テラスハウス」のこと。もちろん一度も見たことがないし、全く番組に興味がなかった。内容もシステムも知らない。
誰も責任を取ることはできない。失った命は戻らないのだから。
都合の悪い部分は表に出てこない。番組は中止になっても、ほとぼりが冷めればまた似たような番組が出てくる。
悲しい事件のことは忘れてはいけない。
SNSに個人情報を紐付けるべきだという声も上がっている。それも致し方ないのかなとも思う。
自分の20代前半を振り返ると、大学・アルバイト・恋愛・就職・・周りから見れば平凡だけど自分にとっては刺激的で楽しかった。苦しいことも後悔も山ほどあった。
それを経験して今の自分がいる。
人生を自らストップしてしまった気持ちを考えるとやりきれない。